ももアレルギーには、花粉と関係する口のかゆみを中心とした型だけでなく、缶詰や加熱品でも強い症状が出る型があります。皮をむくことや加熱だけで、食べられるとは判断しません。
もも・果汁・缶詰と食品表示
生のもも、缶詰、果汁入り飲料、ミックスジュース、ジャム、ゼリー、ヨーグルト、ケーキなどを確認します。果肉が見えなくても、ピューレや果汁、ソースに使われる場合があります。
ももは特定原材料に準ずるもの(表示推奨)です。容器包装された加工食品でもアレルギー表示が必ずあるとは限りません。買うたびに原材料欄とアレルギー表示を読み、不明な原料はメーカーへ確認します。表示がないことを、不使用の根拠にはしません。
外食や量り売りでは包装済み加工食品と同じ表示を期待せず、「ももやピーチ果汁を使っていますか」「ミックスフルーツの材料は何ですか」「ミキサー・ナイフ・盛り付け器具は共用ですか」と、使用材料と調理中の混入を分けて確認します。
皮むき・缶詰・ジャムの注意
皮をむけば食べられる、缶詰やジャムなら安全、とは限りません。花粉と関係する一部の型では加工品を食べられることがありますが、原因成分によっては加熱後も反応します。生・皮なし・加熱品をまとめて自己判断せず、主治医と確認します。
ももを取り除いたデザートにも、果汁やソースが残る場合があります。使わないものを選び、家庭ではももを加える前に取り分けます。
器具や手を介して原因食品が混ざることを「交差接触」といいます。果汁が付いたナイフ・まな板、共用ミキサー、トング・スプーン・盛り付け皿を確認し、使い分けと洗浄を行います。加熱・消毒だけで成分を確実に取り除けるとは考えません。
アレルギーの原因を補足
ももに含まれるたんぱく質に免疫(体を守る仕組み)が過剰に反応します。花粉と共通する成分への反応や、熱に強いGRPなどが関係する反応があり、症状や食べられる加工形態は同じではありません。似た成分への反応を「交差反応」といいます。
花粉との関連と全身に出る反応
シラカンバ・ハンノキなどの花粉症がある人が、ももなどの似た成分に反応する「花粉・食物アレルギー症候群」があります。口やのどのかゆみが中心になることがありますが、もものアレルギーがすべてこの経過をとるわけではありません。
GRP(ジベレリン調節たんぱく質)という原因成分は熱で変化しにくく、加工品でも全身症状が出る場合があります。缶詰のももを食べた後の運動が関係した重い反応も報告されています。「口が少しかゆいだけ」と食べ続けず、運動や飲酒、薬の使用を含め、症状が出た場面を医師へ伝えます。
りんご・すもも・さくらんぼなど関連する果物がありますが、反応する範囲は人によって異なります。ネクタリンなども自己判断で置き換えず、必要な範囲を確認します。症状がない果物をすべて除くことや、家庭で食べて確かめることは避けてください。
食べられる果物・野菜で補う
ももを除く場合も、本人が食べられるほかの果物・野菜・いも類を組み合わせることで、ビタミン・食物繊維などを補えます。代替を同じ種類の果物1つに固定する必要はありません。
果物を複数除いている場合や、食べられる食品が少なく食事が偏る場合は、主治医・管理栄養士と整理します。代替のジュース・ゼリー・菓子も、ミックス果汁などにももが含まれないか、買うたびに表示を確認します。
症状が出たときの対応
口やのどのかゆみ、唇の腫れ、じんましん、腹痛・おう吐などが出ることがあります。食べるのをやめ、本人を一人にせず、症状の変化を確認します。軽く見える場合も医師からの緊急時の指示に従い、改善しない・広がる場合は受診してください。
処方されたアドレナリン自己注射薬(重いアレルギー反応に使う緊急薬)は、医師の指示どおりに使い、すぐ救急車を呼びます。立たせたり歩かせたりせず、その場で安静にし、119番の指示に従ってください。薬の使用後に落ち着いても受診が必要です。
記録のために対応を遅らせず、可能なら食べた物・量・時刻、症状の経過と原材料表示を残します。生・皮なし・缶詰などの加工状態、商品名、花粉症の有無、食後の運動・飲酒や薬の使用も分かれば医師へ伝えます。家庭で食べ直して原因を確かめないでください。
検査・診断について
血液検査が陽性というだけでは、食べたときに症状が出るとは決まりません。食物経口負荷試験(食品を食べて反応を確認する検査)は、必要性を判断し、緊急対応ができる医療機関で行います。自己判断で食べ直したり、少しずつ量を増やしたりしません。
よくある質問
「果肉なし」のもも飲料なら飲めますか?
果肉の粒がなくても、果汁やピューレに原因成分が含まれる場合があります。透明な飲料やゼリーも見た目では判断せず、原材料と本人が避ける範囲を確認します。家庭で飲んで確かめないでください。

