トマトの赤い色をつくる成分として知られるリコピン。生のトマトはもちろん、ソースやジュースにも含まれ、いつもの料理で取り入れられます。
- トマトの赤色に関わる、植物の色のもとになる成分「カロテノイド」の仲間
- 油と組み合わせた加熱調理が、吸収を助ける工夫になる
- 成分だけを追いかけず、生と加熱の両方でトマトを楽しむ
リコピン|赤色の特徴と酸化を抑える性質
リコピンは、植物に含まれる食品成分「フィトケミカル」の一つです。その中のカロテノイドに分類され、「リコペン」とも呼ばれます。ビタミンやミネラルとは区別される成分です。
特徴と働き
特徴
トマトの赤色に関わる
トマトの赤みには、リコピンが関わっています。含まれる量は品種や熟し具合などで異なり、同じトマトでも、含まれる量はさまざまです。
油に溶けやすい
リコピンは脂溶性、つまり油に溶けやすい成分です。トマトを油と組み合わせて調理すると、吸収を助ける工夫になります。
ビタミンAには変わらない
同じカロテノイドの仲間でも、β-カロテンは体内でビタミンAに変わる一方、リコピンは変わりません。
主な働き
酸化に関わる反応を抑える性質
酸化とは、物質が酸素などと反応して変化すること。リコピンには、実験で酸化に関わる反応を抑える性質が確認されています。この性質を「抗酸化作用」といいます。
ただし、成分の性質と、人が食べたときの健康効果は別です。特定の病気の予防や治療を保証するものとして扱うことはできません。
摂取不足
リコピンが足りないことだけで起こる病気は知られていません。必要な量も、はっきりとは決まっていません。トマトを食べないことだけで「リコピン不足」と考える必要はありません。
過剰摂取
大量にとり続けることは避ける
リコピンの多い食品やサプリメントを大量にとり続けると、皮膚がオレンジ色になることがあります。普通の食事と濃縮製品は分けて考え、成分量を増やすためにジュースなどを大量に飲み続けないようにしましょう。
含まれる食品
赤いトマト・ミニトマト
身近に取り入れやすい食品です。甘さだけで成分量を判断せず、食べたい味や料理に合うものを選びましょう。
トマトの加工品
トマトピューレー、ペースト、ソース、ジュースなどにも含まれます。材料や成分の濃さが違うため、製品ごとの違いがあります。料理に使うなら、原材料と食塩などの表示も確認すると選びやすくなります。
赤い果肉のすいか
すいかもリコピンを含む食品です。リコピンはトマトだけに含まれる成分ではありません。
こんな人におすすめ
- トマトをサラダ以外でも楽しみたい人
- ソースや煮込みに加工品を活用したい人
- 食材の色と食品成分の関係を知りたい人
特徴を生かす調理法
少量の油で炒める・煮る
トマトを刻んで少量のオリーブ油と加熱し、ソースや炒め物に。油と加熱を組み合わせる方法は、リコピンを取り入れるうえでも役立ちます。油の量を増やすことを目標にせず、料理に必要な量で仕上げましょう。
加工品を料理の入口にする
トマトピューレーをスープに加えたり、ペーストを煮込みに少し使ったりすると、手間をかけずにトマトの風味を足せます。塩や香辛料を加える前に味を見て、素材の酸味とうま味を生かしましょう。
生でも楽しむ
生のトマトにもリコピンは含まれます。加熱だけにこだわらず、みずみずしさを楽しむサラダと、風味を生かすソースを使い分けましょう。
相性のよい栄養素
脂質
油や脂肪を含む食品と組み合わせることが、吸収に関わります。オリーブ油を使う料理のほか、チーズとの組み合わせも選択肢です。
人を対象とした試験では、トマトピューレーだけの場合より、チーズを合わせた場合に血液に含まれるリコピンの割合が高くなりました。試験条件での吸収の結果であり、どんな料理でも同じ効果が出るという意味ではありません。
よくある質問
加熱しないとリコピンをとれませんか?
生でもとれます。油を使った加熱調理は、吸収を助ける方法の一つです。食べやすさや料理に合わせて選びましょう。
リコピンはトマトにしか含まれませんか?
トマト以外にも、赤い果肉のすいかなどに含まれます。トマトを代表する成分ですが、トマトだけの成分ではありません。
リコピンとβ-カロテンは同じですか?
別の成分です。どちらもカロテノイドですが、β-カロテンはビタミンAの材料になり、リコピンはなりません。
食材の選び方や保存方法は、トマトの記事でも紹介しています。
参考にした資料
資料を開く
「Carotenoids」は2023年9月更新・同年10月査読の現行掲載版を確認しました。2022年の論文は当該試験の原著として参照しています。

