β-カロテンは、にんじんやかぼちゃ、ほうれんそうなどに含まれる色のもとです。体の中で、一部がビタミンAに変わります。
- βは「ベータ」。植物の色のもとになる成分の仲間
- 目や皮膚の健康に必要な、ビタミンAのもとになる
- 切る・加熱する・少量の油と合わせることが、吸収を助ける工夫になる
β-カロテン|ビタミンAのもとになる成分
β-カロテンは、植物などが作る黄色から赤色の色素「カロテノイド」の一つです。植物に含まれる成分をまとめた「フィトケミカル」に分類されます。
体の中でビタミンAに変わる成分を「プロビタミンA」といいます。β-カロテンは、その代表的な成分です。
特徴と働き
特徴
緑色の野菜にも含まれる
β-カロテンは黄みやオレンジ色のもとですが、ほうれんそうなどの葉にも含まれます。葉では緑色の色素が目立つため、見た目がオレンジ色にはなりません。
ビタミンAへの変わり方は調節される
食べたβ-カロテンが、そのまますべてビタミンAになるわけではありません。体の状態や、食品・食べ方によって、吸収される量や変わる量が異なります。
同じ色素の仲間でも働きは違う
トマトの赤い色に関わるリコピンも、カロテノイドの仲間です。β-カロテンと違い、リコピンはビタミンAには変わりません。
主な働き
目の働きに必要なビタミンAを補う
β-カロテンから作られるビタミンAは、目が光を感じる働きに必要です。特に、暗い場所でものを見る仕組みに関わります。
ただし、たくさん食べると近視が治ったり、視力が上がったりするという意味ではありません。
皮膚や体の内側を保つ
ビタミンAは、皮膚や、口・腸などの内側を覆う「粘膜」を健康に保つためにも必要です。β-カロテンは、そのもとを食事からとる助けになります。
摂取不足
不足を考えるときは、β-カロテンだけでなく、食事全体からとるビタミンAも見ます。ビタミンAは、野菜以外の卵や乳製品などからもとれます。
ビタミンAの不足が進むと、暗い場所で見えにくくなることがあります。目の症状にはほかの原因もあるため、食事だけで判断せず、医療機関で相談しましょう。
過剰摂取
高用量のサプリメントに注意
喫煙している人などを対象とした研究では、大量のβ-カロテンをサプリメントでとることで、肺がんのリスクが高まりました。過去に喫煙していた人にも注意が必要です。
これは、普段の食事で野菜を食べる場合と同じ条件の結果ではありません。自己判断で高用量のサプリメントを使わず、利用する場合は医師や薬剤師に相談してください。
皮膚が黄みを帯びることがある
カロテンをとても多くとり続けると、皮膚が黄みやオレンジ色を帯びる「柑皮症(かんぴしょう)」になることがあります。とる量を減らすと改善することが多いものの、皮膚の色の変化をすべて柑皮症と決めつけないようにしましょう。
含まれる食品
にんじん・かぼちゃ
β-カロテンを含む身近な野菜です。にんじんは炒め物やサラダに、かぼちゃは煮物やスープにすると取り入れやすくなります。
にんじんの含有量の例
皮つき・生のにんじん100gには、β-カロテンが6,900μg含まれます。μg(マイクログラム)は、1gの100万分の1を表す小さな単位です。
これは食品成分表の値で、1日に食べるべき量ではありません。品種や育ち方などによっても変わります。
ほうれんそうなどの葉物野菜
ほうれんそうや小松菜など、緑色の野菜にも含まれます。オレンジ色の野菜だけに偏らず、いくつかの種類を組み合わせましょう。
こんな人におすすめ
- 野菜の色と、含まれる成分の関係を知りたい人
- にんじんや葉物を、いつもの献立に取り入れたい人
- サラダ以外の食べ方を増やしたい人
特徴を生かす調理法
切る・加熱する
野菜を切ったり加熱したりすると、細胞の壁がほぐれ、β-カロテンが体に取り込まれやすくなります。葉物は加熱でかさが減るので、食べやすくなる利点もあります。
少量の油と合わせる
β-カロテンは油になじみやすい成分です。少量の油を使った炒め物や和え物にすると、吸収を助ける工夫になります。
油をたくさん使う必要はありません。料理に合う量で仕上げ、生のサラダと加熱したおかずを食べ分けましょう。
相性のよい栄養素
脂質と組み合わせる
脂質とは、食品に含まれる油や脂肪です。野菜に油を加えるほか、脂質を含む魚や卵のおかずと一緒に食べることも、組み合わせの一つです。
よくある質問
生の野菜ではβ-カロテンをとれませんか?
生でもとれます。加熱や油との組み合わせは、吸収を助ける工夫です。生と加熱のどちらか一方だけにする必要はありません。
野菜を食べると、ビタミンAのとりすぎになりますか?
通常の野菜からとるβ-カロテンは、レバーやサプリメントに含まれるビタミンAを大量にとる場合とは異なります。野菜を避ける必要はありませんが、高用量のサプリメントとは分けて考えましょう。
毎日にんじんを食べないといけませんか?
にんじんだけからとる必要はありません。かぼちゃやほうれんそうなども使い、いろいろな食品を組み合わせましょう。
選び方・保存方法や料理への使い方は、にんじんの記事で紹介しています。

