バナナ、野菜、いも、豆などに含まれるカリウム。体の水分のバランスを整え、神経や筋肉の働きを支える栄養素です。食材の選び方と、水を使う調理での変化を知ると、毎日の料理へ取り入れやすくなります。
- 体の水分バランスと、神経・筋肉の働きに関わる
- カリウムをとることと、食塩を控えることを組み合わせる
- 腎臓の働きや飲んでいる薬によっては、とる量を医師などと相談する
カリウム|体のバランスを支えるミネラル
カリウムは、体の調子を整える栄養素の仲間で、「ミネラル(無機質)」の一つです。元素を表す記号はKです。体をつくる小さな部分を「細胞」といいます。カリウムは主に細胞の内側にあります。細胞の外側に多いナトリウムと一緒に、体の中の水分のバランスを保ちます。
特徴と働き
特徴
いろいろな食品に含まれる
バナナだけに含まれる成分ではありません。野菜や果物、いも、豆のほか、乳製品、肉、魚などからもとれます。一つの食品へ偏らず、毎日の食事を組み合わせることが基本です。
水を使う調理で、煮汁やゆで汁へ移る
カリウムは水に溶けやすく、野菜やいもをゆでると一部がゆで汁へ移ります。移る量は、食材、切り方、水の量、加熱時間などによって変わります。「加熱すると必ず全部なくなる」という成分ではありません。
食事からとる量の目安
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、健康な18歳以上の成人について、次の値が示されています。
| 区分 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 目安量 | 2,500mg/日 | 2,000mg/日 |
| 目標量 | 3,000mg/日以上 | 2,600mg/日以上 |
目安量は、栄養が足りた状態を保つために十分と考えられる量です。目標量は、食事や運動などの生活習慣と関係する病気を防ぐために目指す量です。二つの基準は、目的が違います。日々の食生活を考える基準であり、一食だけで満たす量や、治療中の人へ一律に勧める量ではありません。
主な働き
水分バランスを整える
細胞の内側と外側で、水分が適切に保たれる仕組みに関わります。このときに働く、水を引きつける力を「浸透圧」といいます。
神経の伝達や筋肉の動きを支える
体の中で情報を伝えたり、筋肉を動かしたりするために必要です。心臓の筋肉も含め、正常に働くためには血液に含まれるカリウムの割合が、適切に保たれることが大切です。
ナトリウムを体の外へ出すのを助ける
ナトリウムを尿(おしっこ)へ出す働きなどを通して、血圧の調節に関わります。ただし、カリウムを含む食品を食べれば、とりすぎた食塩を帳消しにできるわけではありません。減塩も一緒に考えましょう。
摂取不足
健康な人では、普通の食事をしていて、カリウムが大きく不足することはめったにありません。一方、下痢・おう吐が長く続く場合や、一部の薬の影響などで、血液中のカリウムが低くなることがあります。
低カリウム血症(血液中のカリウムが少ない状態)では、筋肉に力が入りにくくなることがあります。重い場合は、心臓のリズムが乱れる「不整脈」につながります。疲れや足のつりだけで不足と判断し、サプリメントで補おうとしないでください。
過剰摂取
腎臓の働きや薬によって注意が必要
腎臓の働きが正常な健康な人では、通常の食品からとった余分なカリウムは主に尿へ出されます。ただし、腎臓の働きが低下している人や、一部の血圧の薬・利尿薬を使う人は、血液中のカリウムが高くなることがあります。
高カリウム血症(血液中のカリウムが多い状態)は、心臓のリズムに影響することがあります。腎臓病の治療中や、カリウム制限を指示されている場合は、一般的な目標量よりも医師・管理栄養士の指示を優先してください。腎臓病なら全員が同じ制限をする、という意味でもありません。
サプリメント・減塩塩も確認する
減塩タイプの塩には、塩化カリウムを使った製品があります。カリウムを含むサプリメントとともに、腎臓の働きや薬との組み合わせに注意が必要です。治療中は自己判断で追加せず、医師や薬剤師へ相談しましょう。
含まれる食品
果物
バナナや柑橘類など。食べやすい果物を、食事や間食へ取り入れられます。
野菜・いも
ほうれん草、トマト、ブロッコリー、じゃがいもなど。調理方法も組み合わせて選びましょう。
豆・乳製品など
大豆などの豆類、牛乳、ヨーグルトにも含まれます。肉や魚からもとれます。
こんな人におすすめ
- バナナ以外でカリウムをとれる食品も知りたい人
- 減塩と食材選びを一緒に考えたい人
- ゆでる・蒸す・焼くの使い分けを知りたい人
特徴を生かす調理法
蒸す・電子レンジ・焼くも選択肢にする
カリウムをとる工夫として、水を多く使ってゆでる方法に加え、蒸す・電子レンジなどを使い分けられます。焼きバナナは、ゆで汁を捨てずに仕上げる料理です。ただし、完成した料理のカリウム量を計算・実測したものではありません。
汁を使う料理では、味付けも薄くする
野菜の煮汁をスープなどに生かす方法もあります。汁まで食べると食塩もとりやすいため、調味料を控えめにし、具を中心に楽しみましょう。カリウムをとるために、塩分の多い汁を飲み干す必要はありません。
食材とレシピで試してみる
ほかの栄養素との関係
ナトリウムとのバランスを考える
カリウムを増やすことだけでなく、食塩由来のナトリウムを減らすことも大切です。食材の量を増やすたびに、塩やしょうゆも増やさないようにしましょう。特定の比率や一品だけで健康効果を保証するものではありません。
よくある質問
バナナを食べれば、一日分をとれますか?
一本だけで目標量を満たせるとは考えず、野菜、いも、豆、乳製品などを組み合わせましょう。含まれる量は食品や食べる量によって異なります。
カリウムは多くとるほどよいですか?
多いほどよいわけではありません。特に腎臓の働きの低下や薬を飲んでいる場合は、普段の食品でも調整が必要なことがあります。サプリメントや減塩塩の追加は、医師や薬剤師などに確認してください。
ゆでる調理は避けた方がよいですか?
必ず避ける必要はありません。味や食感、食材の安全性も大切です。カリウムをとりたい人と制限が必要な人では調理の目的が異なるため、一律に決めず使い分けましょう。
参考にした資料
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摂取量は日本の2025年版基準を使用し、米国向けの摂取量とは区別しています。料理一人分の栄養量や、病気の治療効果は計算・検証していません。


