毒キノコによる食中毒は、食用に似た野生キノコの取り違えなどで起こります。食用と確実に分からないキノコは食べないことが基本です。加熱しても安全にはできません。
食後の異常は、すぐ医療機関へ毒キノコは遅れて発症することがあります。一緒に食べた人に症状がある場合も受診してください。意識の異常・けいれん・息苦しさがあれば119番です。
原因と症状
キノコが持つ毒による食中毒です。毒の種類によって、嘔吐・下痢・腹痛のほか、神経症状や肝臓・腎臓の障害などが起こります。ここでは国内で中毒が報告されている代表例を紹介します。
ツキヨタケ
ヒラタケ、ムキタケ、シイタケなどと間違えて食べる例があります。食後30分〜数時間ほどで、嘔吐・下痢・腹痛などが現れ、激しい嘔吐で脱水になることもあります。
クサウラベニタケ
ウラベニホテイシメジやハタケシメジなどとの取り違えが起こります。食後10分〜数時間ほどで、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などが現れます。発汗などを伴う場合もあります。
ドクツルタケなど
アマトキシン類などの強い毒を含み、死亡する危険があります。食後6〜24時間ほどたって嘔吐・下痢・腹痛が現れ、いったん回復したように見えても、その後に重い肝障害などが進むことがあります。症状が治まっても自己判断で様子を見ないでください。
発症時間は目安で、食べた量や個人差によって変わります。この3種類以外にも毒キノコがあります。症状や発症時間、この記事の画像だけで種類や安全性を判断しないでください。
調理での予防
食用と確実に分からないものは調理しない
- 採ったものでも、もらったものでも、食用か不確かなキノコは使わない。
- 食用のキノコに、種類の分からないものが混じった状態で調理しない。
- 安全確認のために少し食べたり、味見したりしない。
加熱や塩漬けで無毒化しようとしない
多くの毒キノコの毒成分は、加熱・塩漬け・乾燥などで分解されません。ゆでこぼしたり、よく煮たりしても、家庭で確実に安全にする方法にはなりません。調理済みの料理や煮汁も、疑わしい場合は食べないでください。
日常の予防
見た目や言い伝えを安全の根拠にしない
「地味な色なら食べられる」「縦に裂ければ安全」といった言い伝えは誤りです。図鑑や写真、画像判定アプリの結果だけで食用と決めないでください。同じ場所に毎年生えることや、採った人の経験も安全の保証にはなりません。
不確かな野生キノコを広めない
食用と確実に判断できないものは採らず、売らず、人にあげないでください。人からもらったものでも、不確かな場合は食べません。購入したキノコも異物や見慣れないキノコの混入に気づいたら使わず、販売店に確認してください。
嘔吐物の片付け
毒キノコの中毒は、キノコの毒を食べることで起こります。ただし、嘔吐の原因がまだ分からない場面では感染症の可能性も考え、素手で触らないようにします。具合の悪い人の受診を優先してください。
- 周囲の人を離し、使い捨て手袋・マスク・エプロンなどで防護する。
- 飛び散らせないようペーパー類で静かに拭き取り、使った物は袋に入れる。
- 処理後は石けんと流水で手を洗う。
感染症を想定した詳しい消毒方法は、ノロウイルスの記事も確認してください。消毒剤を食品の無毒化や体の解毒に使わないでください。
片付け用品を備える
受診の目安
- 呼びかけへの反応がおかしい、意識を失った。
- けいれんしている、息苦しい、呼吸がおかしい。
救急車を呼んだら、野生キノコを食べたことを伝え、指示に従ってください。
症状の出現や再悪化を待たずに相談する
キノコを食べた後に嘔吐・下痢・腹痛などが出たら、速やかに医療機関を受診してください。自分は無症状でも、一緒に食べた人に症状がある場合は受診が必要です。毒キノコを食べた疑いがある場合も、症状が出るまで待たずに医療機関へ連絡してください。
繰り返す嘔吐や下痢で水分が取れない、強い腹痛、皮膚や白目が黄色い、尿が少ないなどの異常も早急な受診が必要です。いったん症状が治まっても、キノコを食べた経緯を必ず伝えてください。自分で無理に吐いたり、市販薬で様子を見続けたりしないでください。
受診時に伝えること・持参するもの
- 食べた時刻と量、調理方法、症状と出始めた時刻。
- 採った場所、購入先やもらった相手、一緒に食べた人の状況。
- 残っているキノコや料理、採取時の写真、包装やレシート。
残ったキノコや料理はほかの人が食べないよう分け、可能なら受診時に持参します。保管・提出・処分の方法は医療機関や保健所に確認してください。集めるために受診を遅らせないでください。

