エルシニア・エンテロコリチカ|原因・症状・予防方法

エルシニア・エンテロコリチカ|豚肉と菌の模式図。冷蔵を過信せず十分に加熱

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エルシニア・エンテロコリチカは、豚肉や汚染された水などから感染する細菌です。冷蔵庫の中でも増えるため、低温保存に加えて早めの使用・十分な加熱・二次汚染の防止が必要です。

目次

原因と症状

豚肉と汚染された水などが原因になる

エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica、以下エルシニア)は、豚などの動物の腸管や自然環境にいる細菌です。動物の便などで汚染された食品や水が口に入ることで感染します。国内でも食中毒の発生が報告されています。

特に豚肉、殺菌されていない井戸水や湧き水などに注意が必要です。生肉を扱った手・包丁・まな板から、そのまま食べる食品へ菌が移る二次汚染や、ペットが触った食品にも注意します。

冷蔵庫に入れても増えることがある

東京都の資料では0~4℃でも発育する性質が示されています。冷蔵は必要ですが、冷蔵していることだけで長期間の保存を安全と考えないでください。

発熱・下痢と右下腹部の痛み

発熱、腹痛、下痢などが主な症状で、右下腹部が強く痛むことがあります。発症までの時間は農林水産省では食後2~5日、東京都では半日~6日と幅があります。食べた直後に症状がなくても、原因から除外はできません。

右下腹部の痛みは虫垂炎など、ほかの病気でも起こります。「エルシニアだろう」と自己判断して待たず、医療機関で確認してください。

調理での予防

予防の三原則

この原因での注意点

豚肉や内臓は生・加熱不十分の状態で食べず、中心まで十分に加熱します。家庭での一般的な食中毒予防では中心75℃で1分以上が目安です。表面の焼き色だけを基準にせず、厚い肉やひき肉料理は中心の温度を確かめます。

生肉用と盛り付け用の器具を分ける

加熱しない野菜などを先に切り、生肉を後で扱います。包丁・まな板は使い分けるか、使用後に洗浄し、材質に合う方法で消毒してから次の食品を扱ってください。生肉をつかんだトングや生肉の皿を、そのまま食べるときに使いません。

飲用や調理には衛生が確認できる水を使います。湧き水や井戸水は見た目だけで安全と判断しません。

中心温度を確かめる用品

日常の予防

必要な量を買い、長く冷蔵しない

肉は買い物の最後に購入し、寄り道を避けて持ち帰り、表示に従って冷蔵・冷凍します。使う分を見越して購入し、期限内でも開封後は早めに使ってください。肉汁がサラダや調理済み食品へ付かないよう、袋や容器で分けます。

冷凍を菌をなくす工程の代わりにしません。解凍は冷蔵庫や電子レンジなどで行い、室温に長く置かず、解凍後は速やかに十分加熱します。作り置きも少量ずつ早く冷まし、長く保存しないことが大切です。

動物に触れた後も手を洗う

ペットを調理台や食品へ近づけず、動物や排泄物を扱った後は石けんと流水で手を洗います。下痢や嘔吐がある人は、ほかの人の食事作りを控えてください。

嘔吐物の片付け

これは原因がまだ分からない嘔吐にも備える手順です。本人の体調と受診を優先し、周りの人を離して、手袋・マスク・使い捨てエプロンなどを着けます。吐いた物はペーパー類で静かに拭き取り、使った物は袋に密閉し、最後に石けんと流水で手を洗います。

消毒する場所と材質を確認し、ノロウイルスの記事の処理手順も参照してください。物の消毒剤を手や食品へ使わず、食品の安全確認や治療の代わりにしません。

片付け用品をまとめて備える

受診の目安

血便、強い腹痛、高熱、水分がとれない、尿が少ないなどの症状は早めに医療機関へ相談してください。乳幼児、高齢者、妊娠中の人、免疫機能が低下している人は、症状が軽くても早めに相談します。

意識がおかしい、呼びかけへの反応が悪いなど、様子が明らかにおかしいときは119番です。

水分をとり、自己判断で薬を使わない

意識がはっきりして飲み込める場合は、水分を少しずつとります。嘔吐で飲めないときは無理をせず受診してください。下痢止めや残っている抗菌薬などを自己判断で使わず、医療機関へ相談します。

食べた物と症状を記録する

食べた物・日時、症状が出た時刻、同じ食事をした人の様子を伝えます。残った食品・包装・レシートは原因確認に役立ちます。再び食べないよう分け、保管や提出は医療機関・保健所の指示に従ってください。

参考資料

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