魚介類は冷たく保ち、生の魚を扱う道具と盛り付ける道具を分ける。腸炎ビブリオは、魚の汁や手・器具からサラダなどへ移ることもあります。加熱用の魚介類は、中心まで十分に加熱します。
原因と症状
魚介類の刺身・すしが代表的な原因食品です。生の魚介類を切った包丁やまな板をそのまま使うと、野菜・漬物・調理済みの食品も原因になります。このように、別の食品へ菌を移すことを二次汚染といいます。
この菌は好塩菌(塩分のある環境を好む菌)で、条件がそろうと速く増えます。夏に多いものの冬にも発生するため、季節だけで安全と判断しないでください。
主な症状
主な症状は激しい腹痛や下痢で、血便、発熱、吐き気・おう吐を伴う場合もあります。農林水産省では、食後4〜96時間を発症の目安としています。
時間には幅があるため、直前の食事だけでなく数日前の魚介料理も受診時に伝えます。症状や時間だけで原因は判断できません。高齢の人などは重くなる場合があり、下痢が多いときは脱水にも注意してください。
調理での予防
予防の三原則
この原因での注意点
食べる直前まで冷蔵
- 買い物の最後に買い、保冷して持ち帰る:帰宅後はすぐ冷蔵。汁が漏れない袋や容器に入れ、他の食品へかからないようにします。
- できれば4℃以下で保存:東京都は、わずかな時間でも冷蔵庫に入れるよう案内しています。商品の保存表示・消費期限も守り、食べる分だけ取り出しましょう。
- 解凍は冷蔵庫内などで:室温で長く放置しません。冷凍だけでは菌をなくせないため、解凍後も生の魚介類として扱います。
下処理と洗浄
下処理する魚介類は、調理前に流水の水道水でよく洗います。塩分のある水ではなく真水を使い、洗い水や魚の汁をサラダ・食器・調理済みの料理へ飛ばさないようにしてください。
器具を使い分ける
そのまま食べる野菜などを先に切り、生の魚介類は後で扱います。包丁・まな板は使い分け、使用後は洗剤で洗って材質に合う方法で消毒。魚に触れた後は石けんと流水で手を洗い、盛り付けには清潔な箸や皿を使います。
調理後も室温で放置せず、早めに食べましょう。
日常の予防
冷蔵庫の詰め込みすぎを避け、魚の汁が付いた棚・容器を洗浄します。買い物用の保冷バッグも、汚れたら製品表示に従って手入れして乾かしましょう。
庫内温度の確認
手洗いの用品
石けん・ハンドソープと、清潔な個人用タオルまたはペーパータオルを用意します。器具用の洗剤や塩素系漂白剤を、手洗いに使わないでください。
嘔吐物の片付け
原因が分からない嘔吐・下痢にも備えるための手順です。症状だけで原因を決めず、吐いたものや便には素手で触れないでください。
片付けの用品
- 身を守るもの:使い捨て手袋・マスク・エプロン。
- 拭き取り・廃棄用:ペーパータオル、密閉できる袋。
- 物の消毒用:場所・材質に合う消毒用品。
片付けの手順
- 周りの人を離し、換気します。使い捨て手袋・マスク・エプロンを着用します。
- 乾く前に、ペーパータオルで外側から中心へ静かに拭き取ります。汚れを広げないようにします。
- 汚れを取り除いてから、場所・材質に合う方法で消毒します。
- 使用した物を袋に密閉して廃棄し、手袋を外した後も石けんと流水で手を洗います。十分に換気してください。
塩素系漂白剤は物の消毒用です。手や食品には使いません。薄める量と処理方法は、ノロウイルスを想定した嘔吐物処理の手順・用品で確認してください。感染が判明している場合は、医療機関・保健所の指示に従います。
受診の目安
飲める場合は水分を少しずつ補い、医療機関へ相談します。
- 血便、強い腹痛、水分を飲めない・飲んでも吐く、尿が少ない、ぐったりする場合は受診を急いでください。
- 乳幼児、高齢の人、妊娠中の人、持病や治療で免疫が低下している人は早めに相談します。
意識がはっきりしない、呼びかけに反応しない、息苦しい場合などは119番です。下痢止めなどを自己判断で使わず、医師・薬剤師に確認してください。無理に吐かせないでください。
食べた物と日時、発症時刻、同じ食事をした人の症状を医師へ伝えます。残った食品・包装・レシートは保管し、扱い方を保健所へ相談してください。原因確認のために食べ直さず、記録や保管のために受診を遅らせないようにしましょう。

