さばを食べた後のじんましんや腹痛には、さば自体へのアレルギーのほか、ヒスタミン食中毒やアニサキスが関係する場合があります。しめさば・缶詰・さば節を含む食品を確認し、鮮度や調理法だけで食べられると判断しないことが大切です。
しめさば・缶詰・さば節と食品表示
さばの塩焼きや煮付けだけでなく、しめさば、さば寿司、缶詰、干物、さば節を使っただし・スープ・調味料などを確認します。料理名や見た目だけでは、魚の種類や使用の有無を判断できません。
さばは特定原材料に準ずるもの(表示推奨)です。容器包装された加工食品でも、さばのアレルギー表示が必ずあるとは限りません。原材料欄とアレルギー表示を買うたびに読み、魚の種類やだしの由来が不明ならメーカーへ確認します。表示がないことを、さば不使用の根拠にはしません。
外食や量り売りでは、包装済み加工食品と同じ表示を期待せず、「さばやさば節を使っていますか」「だし・魚粉は何の魚ですか」「焼き網や揚げ油は共用ですか」と、使用材料と調理中の混入を分けて確認します。
加熱・酢締め・共用器具の注意
焼く・煮る・冷凍する・酢で締めることで、さばアレルギーの反応を防げるとは限りません。魚には加熱で変化しにくい原因成分もあります。高温・高圧で処理する缶詰を食べられる場合もありますが、人や製品によるため、家庭で試さず主治医と確認します。
煮汁や鍋からさばの身を取り除いても、汁やほかの具に成分が移っている可能性があります。さばを使わない料理を選び、家庭では加える前に別の器へ取り分けます。
器具などを通じて原因食品が混ざることを「交差接触」といいます。焼き網・トング・包丁・まな板・取り箸・揚げ油の共用や、魚の汁がほかの食品へ付く保管・盛り付けに注意します。使い分けと洗浄を確認し、加熱や消毒だけで原因成分を取り除けるとは考えません。
アレルギーの原因を補足
魚のたんぱく質に免疫(体を守る仕組み)が必要以上に反応して症状が出ます。魚類ではパルブアルブミンやコラーゲンが代表的なアレルゲン(アレルギーの原因成分)です。似た成分をもつほかの魚にも反応する「交差反応」がありますが、反応する魚は人によって異なります。
ヒスタミン食中毒・アニサキスとの違い
ヒスタミン食中毒は、魚などにたまったヒスタミンを食べて起こり、食物アレルギーがない人にも発症します。じんましん、顔の赤み、頭痛などが出ることがあり、症状だけではアレルギーと区別できません。温度管理が重要で、一度できたヒスタミンは通常の加熱では取り除けません。
アニサキス症は、魚に寄生する生きた幼虫が胃や腸の壁に入り込んで起こり、強い腹痛などがみられます。一般的な酢締め・塩漬け・しょうゆ・わさびでは幼虫は死にません。冷凍・加熱による予防方法は厚生労働省の資料を確認してください。
これとは別に、アニサキス自体を原因とするアレルギーもあります。冷凍・加熱で幼虫が死んでも、アレルギー反応を防げるとは限りません。さばのたんぱく質への反応とは区別して診断します。新鮮な魚や酢締め・加熱済みなら安全、と自己判断しないでください。
ほかの魚の扱いと栄養の補い方
さばに症状が出ても、すべての魚をまとめて除く必要があるとは限りません。赤身・白身・青魚といった呼び方だけで食べられる魚を決めず、魚の種類ごとに主治医と確認します。かつお・いりこのだしまで一律に避ける必要があるとも限りません。
魚のだしを除く指示がある場合は、本人が食べられる昆布・しいたけ・肉などのだしを使います。合わせだしや市販の調味料は原材料を確認してください。
たんぱく質は、本人が食べられる肉・卵・大豆製品などから補えます。魚全般の除去が続く場合はビタミンDの不足にも注意し、食べられる卵黄・きのこ類などの使い方を医師・管理栄養士と相談します。代わりの食品にも別のアレルギーがあり得るため、原材料を確認してください。
症状が出たときの対応
口やのどのかゆみ、唇の腫れ、じんましん、腹痛・おう吐などが出ることがあります。食べるのをやめ、本人を一人にせず、症状の変化を確認します。軽く見える場合も医師からの緊急時の指示に従い、改善しない・広がる場合は受診してください。
処方されたアドレナリン自己注射薬(重いアレルギー反応に使う緊急薬)は、医師の指示どおりに使い、すぐ救急車を呼びます。立たせたり歩かせたりせず、その場で安静にし、119番の指示に従ってください。薬の使用後に落ち着いても受診が必要です。
記録のために対応を遅らせず、可能なら食べた物・量・時刻、症状の経過と原材料表示を残します。魚の種類、生・酢締め・加熱などの調理状態、商品名、保存状況、同じ料理を食べた人の症状も分かれば医師へ伝えます。家庭で食べ直して原因を確かめないでください。
検査・診断について
血液検査が陽性というだけでは、食べたときに症状が出るとは決まりません。食物経口負荷試験(食品を食べて反応を確認する検査)は、必要性を判断し、緊急対応ができる医療機関で行います。自己判断で食べ直したり、少しずつ量を増やしたりしません。
よくある質問
缶詰を食べられたら、しめさばも食べられますか?
同じさばでも加工方法や量で反応が異なる場合があり、缶詰を食べられた経験だけでは判断できません。酢締めで魚のアレルゲンがなくなるわけでもありません。食べられる製品・調理法・量は主治医と確認し、家庭で試さないでください。

