豚肉アレルギーでは、ハム・ソーセージ・豚骨スープなども確認します。猫やマダニとの関連がある型、食後しばらくたって症状が出る型もあるため、食べた物と症状の時刻を分けて伝えることが大切です。
豚肉・加工肉・豚骨スープと食品表示
豚肉料理、ハム、ベーコン、ソーセージ、ひき肉を使う料理、豚肉エキス、豚骨スープなどを確認します。肉が見えないスープや調味料、複数の肉を混ぜた加工品は、原材料の由来も確認してください。
豚肉は特定原材料に準ずるもの(表示推奨)です。容器包装された加工食品でもアレルギー表示が必ずあるとは限りません。買うたびに原材料欄とアレルギー表示を読み、不明な原料はメーカーへ確認します。表示がないことを、不使用の根拠にはしません。
外食や量り売りでは包装済み加工食品と同じ表示を期待せず、「豚肉やポークエキスを使っていますか」「スープや油脂は何由来ですか」「鉄板・トング・揚げ油は共用ですか」と、使用材料と調理中の混入を分けて確認します。
加熱・肉汁・エキスの注意
加熱で反応しにくくなる型があっても、十分に火を通せば全員が食べられるわけではありません。原因成分と本人の反応によるため、食べられる調理法・製品・量を主治医と確認します。生や加熱不足の豚肉を、食べられる方法として試してはいけません。
鍋や炒め物から豚肉を取り除いても、汁やほかの具に成分が残る場合があります。豚肉を使わない料理を選び、家庭では加える前に取り分けます。一方、肉アレルギーでもエキスを使える場合があるため、だし・エキスまで一律に除かず、病型に合う扱いを確認してください。
器具や手を介して原因食品が混ざることを「交差接触」といいます。肉汁、包丁・まな板・トング・鉄板・取り箸・共用の揚げ油に注意し、使い分けと洗浄を行います。加熱や消毒だけで原因成分を確実に取り除けるとは考えません。
アレルギーの原因を補足
豚肉のたんぱく質への反応のほか、猫の血清アルブミン(血液に含まれるたんぱく質)と豚肉成分との交差反応、α-Galへの反応などがあります。反応する成分によって発症時刻や加熱の影響、確認する関連食品が異なります。
猫・マダニとの関連と遅れて出る症状
猫の成分に反応するようになった人が、似た成分をもつ豚肉でも症状を起こす「ポークキャット症候群」があります。似た成分への反応を「交差反応」といいます。猫アレルギーがある人全員に起こるわけではありませんが、猫との接触歴も診察で伝えます。
マダニにかまれたことと関係する「α-Gal(アルファガル)症候群」では、豚肉や牛肉などを食べた数時間後に症状が出ることがあります。たんぱく質とは異なる、糖のつながりの一種への反応です。直前の食事だけを原因と考えず、数時間前の食事や屋外活動・マダニ咬傷の経験も医師へ伝えます。
α-Gal症候群では、ラードなど哺乳類由来の脂、ゼラチンや肉のスープなども確認対象になる場合があります。すべての人がすべての製品に反応するわけではないため、乳製品も含めた除去範囲を自己判断で広げず、専門医と決めます。
ほかの肉と主菜の代わりを選ぶ
豚肉に反応しても、鶏肉・牛肉・魚などがすべて食べられないとは限りません。ただしα-Gal症候群では、牛・羊などほかの哺乳類肉も関係します。別の肉への置き換えは、病型と本人の反応を踏まえて確認してください。
たんぱく質は、本人が食べられる魚・卵・大豆製品などから補えます。肉類を広く除く場合は鉄の摂取にも注意し、医師・管理栄養士と献立を調整します。加工した代替食品にも豚肉エキスや脂が使われる場合があるため、毎回原材料を確認します。
症状が出たときの対応
口やのどのかゆみ、唇の腫れ、じんましん、腹痛・おう吐などが出ることがあります。食べるのをやめ、本人を一人にせず、症状の変化を確認します。軽く見える場合も医師からの緊急時の指示に従い、改善しない・広がる場合は受診してください。
処方されたアドレナリン自己注射薬(重いアレルギー反応に使う緊急薬)は、医師の指示どおりに使い、すぐ救急車を呼びます。立たせたり歩かせたりせず、その場で安静にし、119番の指示に従ってください。薬の使用後に落ち着いても受診が必要です。
記録のために対応を遅らせず、可能なら食べた物・量・時刻、症状の経過と原材料表示を残します。肉の種類、調理方法、加工品名、数時間前を含む食事、猫との接触やマダニにかまれた経験も分かれば医師へ伝えます。家庭で食べ直して原因を確かめないでください。
検査・診断について
血液検査が陽性というだけでは、食べたときに症状が出るとは決まりません。食物経口負荷試験(食品を食べて反応を確認する検査)は、必要性を判断し、緊急対応ができる医療機関で行います。自己判断で食べ直したり、少しずつ量を増やしたりしません。
よくある質問
豚骨スープで身を食べなければ大丈夫ですか?
豚肉の身がなくても、スープやエキスに原因成分が含まれる場合があります。エキスを使える人もいますが、豚肉を食べたときの反応だけでは決められません。スープ・だしの扱いを主治医と確認し、家庭で飲んで確かめないでください。

