巻貝のフグ毒(キンシバイ類など)|原因・症状・予防方法

巻貝のフグ毒(キンシバイ類など):動物性自然毒。巻貝のイメージと、キンシバイは採らない・食べないという注意。

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キンシバイなどの巻貝は、フグと同じ毒「テトロドトキシン」を持つことがあります。キンシバイは身にも毒があるため、内臓を取ったり加熱したりして食べないでください。食べられると確実に分からない巻貝は、採らない・食べないことが予防の基本です。

貝を食べた後に口や手足のしびれ、力が入らない、息苦しいなどの症状が出たら、直ちに119番してください。フグ毒は呼吸の麻痺につながる危険があります。

目次

原因と症状

フグ以外の生き物にもある毒

テトロドトキシンは、神経から筋肉へ信号が伝わるのを妨げる毒です。キンシバイでは、筋肉と内臓のどちらも有毒部位になります。鮮度や洗い方を良くしても、この毒への対策にはなりません。

国内では、キンシバイのほか、バイやボウシュウボラによるフグ毒中毒も報告されています。ただし、有毒部位や必要な扱いは種類ごとに異なります。本記事は、特にキンシバイを食べないための注意を中心にまとめています。

長崎県・熊本県でも発生している

厚生労働省は、キンシバイによる食中毒として、2007年に長崎県、2008年に熊本県、2015年に長崎県で発生した事例を紹介しています。キンシバイは通常、食用として市場に流通している貝ではありません。売られているのを見かけても、食べないでください。

しびれから麻痺が進むことがある

食後20分~3時間ほどで、唇や舌、手足のしびれ、歩きにくさ、力が入らないなどの症状が現れることがあります。吐き気や嘔吐、言葉が出にくいといった症状もみられ、重くなると呼吸ができなくなり、死亡することがあります。

息苦しくなるまで待たず、しびれなどの初期症状でも救急要請してください。発症までの時間だけで安全を判断せず、食べた貝のことを救急隊に伝えます。

調理での予防

キンシバイは調理して食べない

キンシバイは、筋肉にも内臓にも毒を持つため、家庭で安全な部分を選んで食べることはできません。身だけにする、内臓を外す、砂抜きをするといった処理を、安全に食べる方法と考えないでください。

テトロドトキシンは、通常の加熱調理では分解されません。冷凍しても毒性は失われないため、煮る・焼く・冷凍するといった処理で食べられるようにはなりません。味見で安全を確かめることも避けます。

テトラミンの対策を当てはめない

巻貝のテトラミンは、一部のツブ貝などの唾液腺にある別の毒です。そちらには調理前の唾液腺除去という対策がありますが、キンシバイのフグ毒は「唾液腺を取ればよい」という扱いにはできません。

ボウシュウボラには内臓の除去という対策が示されていますが、キンシバイとは有毒部位が異なります。種類を確実に判別できない貝で、ほかの貝の処理方法を試さないでください。

アイキャッチは巻貝のイメージです。貝の種類や毒の有無を判定するための画像ではありません。

日常の予防

採集・もらい物の貝を自己判断で食べない

  • 海で見つけたキンシバイは、採って食べない。
  • 食べられると確実に分からない巻貝は、食べない・人にあげない・売らない。
  • もらった貝も種類と入手先を確認し、分からないものは食用にしない。

「食用のバイ貝に似ている」「小さい貝だから大丈夫」「前に食べて平気だった」といった経験で、安全とは判断できません。販売店で食用の貝を買う場合も、種類や必要な処理が不明なら、その場で確認します。

見慣れない巻貝が販売されていたり、食用の貝への混入が疑われたりする場合は、食べずに販売店や保健所へ相談してください。

嘔吐物の片付け

嘔吐があっても、片付けより本人の救急対応を優先します。しびれや麻痺がある人に無理に飲食させたり、吐かせたりしないでください。意識や呼吸がおかしいときは、119番の指令員の指示に従います。

別の人が片付ける場合は、原因が確定するまでは感染性の嘔吐物も想定し、使い捨て手袋・マスク・エプロンなどを着けて素手で触りません。ペーパータオルで静かに拭き取り、使った物は袋に密閉し、片付け後は石けんと流水で手を洗います。

感染性胃腸炎が疑われる場合の消毒は、ノロウイルスの記事の片付け方法を確認してください。消毒薬を食品に使ってフグ毒を除くことはできません。

受診の目安

しびれ・麻痺などがあれば直ちに119番
  • 唇・舌・手足がしびれる。
  • 力が入らない、歩けない、言葉が出にくい。
  • 息苦しい、呼吸がしづらい、意識がおかしい。

自分で運転せず、周囲の人に助けを求めてください。

症状がなくても、食べた疑いはすぐ相談

キンシバイや種類不明の巻貝を食べた疑いがある場合は、無症状でも速やかに医療機関へ連絡し、対応を確認してください。症状が出るまで一人で待たないでください。一緒に食べた人にも状況を伝えます。

救急隊・医療機関へ伝えること

  • 食べた時刻・量、貝の名前、採った場所や購入先。
  • 調理方法と、症状が出た時刻・変化。
  • 一緒に食べた人の体調。

残った貝や料理、包装・レシート、写真があれば、捨てずに保管・提出方法を医療機関や保健所へ確認します。ほかの人が食べないように分けておき、記録や片付けのために救急要請を遅らせないでください。

参考資料

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