さけアレルギーでは、魚の切り身に加え、さけフレーク・スモークサーモン・だしや加工食品を確認します。「ます」という名前や加熱済みというだけで、食べられるとは判断しません。
さけ・ますと加工食品の表示
さけ料理、寿司、おにぎり、さけフレーク、スモークサーモン、缶詰、さけ入りのスープやソースなどを確認します。商品や店で材料は異なり、料理名や見た目だけでは使用の有無を判断しません。
さけは特定原材料に準ずるもの(表示推奨)です。容器包装された加工食品でも、さけのアレルギー表示が必ずあるとは限りません。原材料欄とアレルギー表示を買うたびに読み、不明な魚の種類や原料の由来はメーカーへ確認します。
表示上の「さけ」には、しろざけ・べにざけ・ぎんざけのほか、ますのすけ・さくらます・からふとますなども含まれます。にじます・いわな・やまめなど川や湖で生活するものは対象外とされますが、海で養殖された場合は対象です。表示制度の範囲と、本人に症状が出る魚の範囲は同じではありません。「ます」なら大丈夫、表示対象外なら食べられる、と判断しないでください。
外食や量り売りでは包装済み加工食品と同じ表示を期待せず、「さけやサーモンを使っていますか」「魚のだし・エキスは何の魚ですか」「焼き網や揚げ油は共用ですか」と、使用材料と調理中の混入を分けて確認します。
焼き魚・缶詰・だしと調理の注意
焼く・煮る・冷凍することで、さけアレルギーの反応を防げるとは限りません。加熱で変化しにくい原因成分もあります。高温・高圧で処理する缶詰などを食べられる場合もありますが、本人の反応や製品によるため、家庭で試さず主治医と確認します。
さけ入りの鍋やスープから身を取り除いても、汁やほかの具に成分が移っている可能性があります。使わない料理を選び、家庭ではさけを加える前に別の器へ取り分けます。
かつお・いりこのだしまで一律に避ける必要があるとは限りません。本人が食べられる魚とだしを確認し、魚のだしを除く指示がある場合は、食べられる昆布・しいたけ・肉などのだしを使います。合わせだしや市販の調味料は、原材料も確認してください。
器具などを通じて原因食品が混ざることを「交差接触」といいます。焼き網・トング・包丁・まな板・取り箸・揚げ油の共用、魚の汁がほかの食品へ付く保管や盛り付けに注意します。使い分けと洗浄を確認し、加熱や消毒だけで原因成分を取り除けるとは考えません。
アレルギーの原因を補足
魚のたんぱく質に免疫(体を守る仕組み)が必要以上に反応して症状が出ます。魚類ではパルブアルブミンやコラーゲンが代表的なアレルゲン(アレルギーの原因成分)です。似た成分をもつほかの魚にも反応する「交差反応」がありますが、反応する魚は人によって異なります。
ほかの魚・いくらとの違いと栄養の補い方
さけに症状が出ても、すべての魚をまとめて除く必要があるとは限りません。赤身・白身・青魚といった呼び方だけで食べられる魚を決めず、魚の種類ごとに主治医と確認します。
さけの身といくらでは、主な原因成分が異なります。身を食べたときの症状と、魚卵を食べたときの症状を分けて医師へ伝え、それぞれの扱いを確認してください。親の魚だから必ず同じ反応になる、身が食べられるから卵も安全、とは判断しません。
たんぱく質は、本人が食べられる肉・卵・大豆製品などから補えます。魚全般の除去が続く場合はビタミンDの不足にも注意し、食べられる卵黄・きのこ類などの使い方を医師・管理栄養士と相談します。代わりの食品にも別のアレルギーがあり得るため、原材料を確認してください。
症状が出たときの対応
口やのどのかゆみ、唇の腫れ、じんましん、腹痛・おう吐などが出ることがあります。食べるのをやめ、本人を一人にせず、症状の変化を確認します。軽く見える場合も医師からの緊急時の指示に従い、改善しない・広がる場合は受診してください。
処方されたアドレナリン自己注射薬(重いアレルギー反応に使う緊急薬)は、医師の指示どおりに使い、すぐ救急車を呼びます。立たせたり歩かせたりせず、その場で安静にし、119番の指示に従ってください。薬の使用後に落ち着いても受診が必要です。
記録のために対応を遅らせず、可能なら食べた物・量・時刻、症状の経過と原材料表示を残します。魚の種類、生・焼き魚・缶詰などの調理状態、食べた部位や商品名も分かれば医師へ伝えます。家庭で食べ直して原因を確かめないでください。
検査・診断について
血液検査が陽性というだけでは、食べたときに症状が出るとは決まりません。食物経口負荷試験(食品を食べて反応を確認する検査)は、必要性を判断し、緊急対応ができる医療機関で行います。自己判断で食べ直したり、少しずつ量を増やしたりしません。
よくある質問
同じ魚を食べた家族にも症状が出たら、アレルギーですか?
魚を食べた後のかゆみやじんましんには、食物アレルギー以外にヒスタミンによる食中毒などもあり、症状だけでは区別できません。同じ料理を食べた人の症状や食品の保存状況も医療機関へ伝えてください。息苦しさやぐったりするなどの症状があれば、原因の確認を待たず緊急対応します。

