パリトキシンおよび関連毒|原因・症状・予防方法

パリトキシンおよび関連毒:動物性自然毒。魚のイメージと、加熱しても毒は消えないという注意。

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パリトキシンおよび関連毒による食中毒のうち、国内の魚による中毒は主に「パリトキシン様毒」として報告されています。加熱しても毒性は失われません。アオブダイやハコフグなどの有毒魚を食べないことが予防の基本です。

魚を食べた後に、激しい筋肉痛や黒褐色の尿が出たら、速やかに受診してください。息苦しい、意識がおかしい、急に立てない・歩けない場合は119番です。

目次

原因と症状

「パリトキシン様毒」とは

パリトキシンに性質が似た毒と考えられていますが、国内の魚による中毒の原因物質は、化学構造などがまだ解明されていません。「パリトキシン様毒」と、パリトキシンそのものが検出された事例は区別して扱います。

厚生労働省は国内の原因魚としてアオブダイ、ハコフグを挙げています。ブダイ、ウミスズメ、ハタ科の魚にも疑われる事例があります。内臓だけでなく、身を食べた事例もあるため、内臓を取れば安全とはいえません。

激しい筋肉痛と黒褐色の尿

主な症状は、筋肉が壊れる「横紋筋融解症」による強い筋肉痛や脱力です。筋肉の成分が尿に出て黒褐色になることがあり、歩行困難、呼吸困難、胸の圧迫感、麻痺、けいれんなども起こります。重症では腎臓の障害や死亡につながることがあります。

発症までの時間は、おおむね食後12~24時間とされています。ただし、この時間を過ぎるまで待ったり、時間が違うから大丈夫と判断したりしないでください。魚を食べたことと体調の変化を医療機関へ伝えます。

国内でも鍋料理による事例がある

大阪市は2026年1月、ヤイトハタと推定される魚の鍋料理を食べた7人が入院した事例を公表しています。病因物質は「パリトキシン様毒(推定)」です。魚や患者の検体からパリトキシンは検出されておらず、パリトキシンが検出・確認された事例とは異なります。

調理での予防

有毒魚を調理して食べない

予防の基本は、有毒魚を食用にしないことです。アオブダイやハコフグなどは、家庭で毒を取り除こうとせず、食べないでください。種類が分からない魚や見慣れない魚も食用にしません。

焼く・煮るでは毒を消せない

パリトキシン様毒は加熱調理でも毒性が失われず、水に溶けて煮汁などへ移ると考えられています。疑わしい魚を入れた鍋は、身だけ取り除いても安全とはいえません。汁や、一緒に煮た具も食べないでください。

加熱温度を測ることは、この毒の除去には役立ちません。冷やす・凍らせるといった保存処理も、有毒魚を食べるための安全対策として頼らないでください。

アイキャッチは魚のイメージです。魚種の判定や毒の有無の確認には使えません。

日常の予防

釣り・もらい物の魚を自己判断で食べない

  • 釣りや旅行の前に、地域の自治体・保健所が出している有毒魚の注意情報を確認する。
  • 魚の種類や採れた場所が分からないときは、食べたり人に配ったりしない。
  • 食用にしてよいか迷う魚は、漁業関係者などに種類を確認し、必要に応じて保健所へ相談する。

「新鮮だから」「以前食べて平気だったから」といった経験で、毒の有無は確かめられません。写真や名前の似ている別の魚だけを頼りに、食べられる魚と判断しないことが大切です。

嘔吐物の片付け

国内のパリトキシン様毒中毒では、筋肉痛や脱力が中心です。嘔吐があっても原因を自己判断せず、まず本人の受診や救急対応を優先してください。

原因が分からない嘔吐物は、感染性のものも想定して素手で触りません。使い捨て手袋・マスク・エプロンなどを着け、ペーパータオルで飛び散らせずに拭き取り、使った物は袋に密閉します。片付け後は石けんと流水で手を洗います。

感染性胃腸炎が疑われる場合の消毒は、ノロウイルスの記事の片付け方法を確認してください。これは感染対策の説明であり、パリトキシン様毒を家庭の消毒薬で無毒化できるという意味ではありません。

受診の目安

強い筋肉痛・脱力・尿の色の変化は早めに受診

魚を食べた後の激しい筋肉痛、力が入らない、黒褐色の尿などは、運動の疲れと決めつけず、速やかに医療機関へ相談・受診してください。下痢や嘔吐がなくても受診が必要な場合があります。

すぐ119番の目安
  • 息苦しい、呼吸がしづらい。
  • 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応がおかしい。
  • 急に立てない・歩けない、けいれんしている。

魚を食べた後に症状が出たことを伝え、指令員の指示に従ってください。

食べた魚と時刻を伝える

  • 食べた魚の名前、採れた場所や購入先、食べた部位・料理。
  • 食べた日時、症状が出た時刻と変化。
  • 一緒に食べた人の体調。

残った魚・料理、包装やレシート、魚の写真は捨てず、受診や保健所への相談時に扱いを確認してください。ほかの人が誤って食べないように分けておきます。無理に吐かせたり、自己判断の薬で様子を見続けたりしないでください。

参考資料

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