冷蔵していても、長く保存しない。リステリア・モノサイトゲネスは冷蔵庫内でも増える細菌です。加熱せずに食べる食品は期限と保存方法を守り、開封後は早めに食べましょう。
原因と症状
注意する食品
リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes、以下リステリア)は、食品を通じて感染する細菌です。生ハム、スモークサーモン、加熱殺菌していないナチュラルチーズなどが原因になることがあります。野菜や果物も無関係ではありません。食品名だけで汚染の有無は判断できません。
特に注意したいのは、冷蔵で長く保存し、そのまま食べる食品です。塩漬けや冷蔵をしていても、菌が増えることがあります。
主な症状
発熱、悪寒、筋肉痛、だるさのほか、下痢や嘔吐が出ることがあります。重くなると、髄膜炎(脳や脊髄を覆う膜の炎症)や敗血症(感染により全身の状態が悪くなる病気)を起こします。
発症までの時間は病気の型によって異なります。胃腸の症状は通常24時間以内、腸以外に感染が広がる型は通常2週間以内が目安ですが、もっと遅い場合もあります。時間や症状だけで原因を決めないでください。
妊娠中などは注意
妊娠中の人、高齢者、免疫が低下している人や新生児は重症化に注意が必要です。妊娠中は本人の症状が軽くても、胎児や新生児に影響することがあります。
調理での予防
予防の三原則
この原因での注意点
加熱する食品を選ぶ
妊娠中は、生ハム、スモークサーモン、肉や魚のパテ、加熱していないナチュラルチーズなどを、そのまま食べることを避け、できるだけ十分に加熱して食べましょう。チーズは製品によって製造方法が異なるため、包装後の加熱殺菌などの表示を確認し、不明なら販売元に確認します。原料乳が加熱殺菌済みというだけで、製品の汚染がないとは判断できません。
加熱した後も、汚れた器具や手から菌を移さないことが大切です。回収対象の商品は、加熱して食べずに回収案内に従ってください。
日常の予防
買い過ぎず早めに食べる
一度に食べ切れる量を買い、買い物後は速やかに冷蔵します。開封日を容器や袋に記録すると、食べ残しの放置を避けやすくなります。見た目やにおいだけで安全を判断せず、保存方法と期限を確認してください。
温度を確かめる用品
持ち運びの用品
保冷バッグは保冷剤と組み合わせ、買った冷蔵食品が温まりにくいように使います。寄り道せず、帰宅後すぐ冷蔵してください。保冷バッグだけで長時間の安全を保証できません。
嘔吐物の片付け
これは、原因が分からない嘔吐にも備える共通の手順です。リステリアだけに特有の処理方法ではありません。
片付けの用品
使い捨て手袋・マスク・エプロン、ペーパータオル、密閉できる袋、場所と材質に合う消毒用品を用意します。手洗い用と物の消毒用を分けます。
片付けの手順
周りの人を離して換気し、手袋などを着けます。乾く前に外側から中心へ静かに拭き取り、汚れを広げないようにします。汚れを除いてから適切な方法で消毒し、使った物は袋に密閉して廃棄します。最後に石けんと流水で手を洗います。
塩素系漂白剤は物の消毒用です。手や食品に使いません。薄め方などは、ノロウイルスの「嘔吐物の片付け」で確認します。診断や保健所からの指示がある場合は、それに従ってください。
受診の目安
意識がおかしい、けいれんがある、息苦しい場合は119番です。高熱、強い頭痛、首が硬い、水分がとれない、ぐったりしている場合も受診を急いでください。
妊娠中、高齢、免疫が低下している人で、回収対象や汚染が疑われる食品を食べた後に発熱・筋肉痛・だるさなどが出た場合は、早めに医療機関へ相談します。食べた食品、食べた日、症状が始まった日、妊娠や治療中の病気を伝えましょう。
無症状でも心配な場合は医療機関へ相談し、自己判断で抗菌薬を飲んだり、無理に吐いたりしないでください。残った食品の取り扱いは回収案内・保健所に確認し、確認のために食べ直さないでください。

