下痢性貝毒|原因・症状・予防方法

下痢性貝毒。ホタテ・アサリ・ムラサキイガイなどの二枚貝と毒への注意を表すイメージ。加熱に頼らず貝毒情報を確認。

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下痢性貝毒は、有毒なプランクトンを食べた貝に蓄積する自然毒です。ホタテ・アサリ・ムラサキイガイなどが原因となり、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐を起こします。一般的な加熱では毒を取り除けないため、地域の貝毒情報と、検査・出荷管理された食品を選ぶことが予防の基本です。

貝を食べた後に下痢や嘔吐が出たら、自己判断せず医療機関へ相談してください。水分が取れない、尿が少ない場合は早めの受診が必要です。意識や呼吸の異常、突然・持続する激しい腹痛、血を吐く、血便・黒い便がある場合は119番です。

目次

原因と症状

貝に蓄積する毒成分

主な毒成分は、オカダ酸と、それに構造が似たジノフィシストキシン群です。毒を持つプランクトンを貝が餌として食べ、体内に毒を蓄積します。その貝を人が食べることで中毒が起こります。細菌やウイルスによる食中毒とは原因が異なります。

毒化したホタテ、アサリ、ムラサキイガイ、カキなどの二枚貝が原因になります。毒は主に中腸腺(貝の消化に関わる器官)に集まりますが、外見や味から毒の有無を判断できません。

下痢・腹痛・吐き気

主な症状は、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐です。食後30分~4時間以内に症状が現れることがあります。厚生労働省の資料では通常3日以内に回復するとされていますが、その日数まで受診を待ってよいという意味ではありません。

貝を食べた後の下痢には、ノロウイルスなど別の原因もあります。発症までの時間や、しびれがないことだけで、下痢性貝毒と自己診断しないでください。

調理での予防

家庭の加熱で無毒化しない

下痢性貝毒は熱に強く、一般的な煮る・焼くなどの調理加熱では分解できません。加熱時間を延ばすことを、毒化した貝を食べるための対策にしないでください。

新鮮さや、洗浄・砂抜き・自己流の部位除去を安全確認の代わりにしません。毒が疑われる貝を味見して確かめることも避けます。食品表示に沿った加熱など、ほかの食中毒を防ぐための調理は必要ですが、貝毒への対策とは区別してください。

管理された食品を選ぶ

日本では、貝毒の発生監視と出荷前の検査が行われ、規制値を超えた場合には出荷の自主規制などが行われます。こうした管理を受けた販売店の食品を選び、表示された保存・調理方法に従ってください。回収や注意情報の対象となった食品は食べません。

日常の予防

採取前に最新情報を見る

  • 採る場所の自治体・水産関係機関が出す最新の貝毒情報と採取ルールを確認する。
  • 採取・喫食の自粛要請や規制がある場所では、対象の貝を採って食べない。人にも分けない。
  • 情報は海域と貝の種類ごとに確認し、別の場所・別の貝の検査結果で安全と判断しない。
  • 採取場所や安全性が分からない貝は食べず、自治体や保健所へ確認する。

潮干狩りでは管理施設の案内に従います。海の見た目や、以前食べて問題なかった経験だけでは、今回の安全性は確かめられません。

嘔吐物の片付け

体調の確認を優先する

具合が悪い人の受診・救急対応を優先し、家庭で無理に吐かせないでください。吐いた物が気管に入る危険があります。

原因が確定するまでは感染性の食中毒も区別できません。吐いた物には素手で触れず、使い捨て手袋・マスクなどを使い、周囲の人や食品に触れないように片付けます。作業後は石けんと流水で手を洗ってください。

詳しい汚れの処理はノロウイルスの記事の片付け方も参考にしてください。その消毒方法は、食品の下痢性貝毒を取り除く方法ではありません。吐いた物が原因調査に必要な場合もあるため、保管・提出・処分は保健所の指示に従います。

片付け用品を備える

受診の目安

脱水や強い症状を見逃さない

貝を食べた後に食中毒を疑う症状があれば、医療機関へ相談してください。特に、水分を飲んでも吐いてしまう、尿が少ない、症状が続く場合は早めに受診します。乳幼児や高齢者、妊娠中の人、持病のある人などは早めに相談してください。

意識がおかしい・息苦しい・突然または持続する激しい腹痛・吐血・血便や黒い便は119番です。貝を食べた後のしびれや麻痺も、下痢性貝毒だと思い込まず直ちに医療機関へ相談します。呼吸の異常や進行する麻痺があれば119番です。

相談までに行うこと

  • 食べるのをやめ、同じ貝や料理をほかの人も食べないようにする。
  • 意識がはっきりして飲み込める場合は、水分を少量ずつ補う。飲み込みにくい人や意識がおかしい人へ無理に飲ませない。
  • 無理に吐かせず、下痢止めなどの薬を自己判断で使わない。
  • 貝の種類、購入先・採取場所、食べた時刻と量、症状の開始時刻、一緒に食べた人の状況を伝える。
  • 残った食品・包装・レシートを保管し、保管方法や提出・処分は保健所へ確認する。

参考資料

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