不溶性食物繊維は、水に溶けにくい性質で分けられる食物繊維です。野菜や穀類などの組織に含まれ、水溶性と一緒に普段の食事からとることができます。
特徴と働き
特徴
セルロースやリグニンなどが含まれます。植物の細胞壁などを構成し、野菜・豆類・穀類・果物にも含まれる成分です。
「不溶性」は、水に溶けにくいという分類です。食べられない部分だけを指す言葉ではなく、食べ物の硬さだけで含有量を判断することもできません。
主な働きと、分かっていること
水を含んで便のかさに関わるなど、便通を支える働きが知られています。ただし、粒の大きさや食品の状態、体調によっても違いがあり、量を増やすだけで便秘が解消するとは限りません。
水溶性より発酵されにくい成分もありますが、発酵されやすさを溶解性だけで決めることはできません。種類と食品の組み合わせを見て考えます。
摂取量と注意
不溶性だけの一律の目標量ではなく、食物繊維全体と食事のバランスを考えます。
急に増やすと、お腹の張りや不快感につながることも。適度な水分とともに、食べやすい量から取り入れましょう。消化管の病気などで食物繊維を制限されている方は、自己判断で増やしません。
含まれる食品
以下は、生の可食部100g当たりの不溶性食物繊維です。いずれの食品にも、水溶性も含まれています。
| 食品 | 不溶性食物繊維(g) |
|---|---|
| ごぼう | 3.4 |
| にんじん(皮つき) | 2.1 |
| なす | 1.9 |
| いちご | 0.9 |
| バナナ | 1.0 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」。各食品は生、にんじんは皮つき。上記はプロスキー変法による値で、別の測定法による値と混ぜて比較しません。調理後やレシピ1人分の数値ではありません。
特徴を生かす調理のポイント
薄切り・加熱で、食べやすい形に
ごぼうは薄く切り、にんじんは蒸す・煮るなどして好みのやわらかさに。加熱でやわらかくなっても、食物繊維がすべてなくなるわけではありません。
食べられる皮は、料理に合わせて
よく洗って皮ごと使う方法もありますが、硬くて食べにくい部分まで無理に食べる必要はありません。皮だけでなく、可食部全体の量と食べやすさを考えます。
下準備はごぼうの記事、皮つきで使う工夫はにんじんの記事へ。食べやすい切り方と加熱を選べます。
よくある質問
野菜は生で食べた方がよいですか?
生に限定する必要はありません。加熱して食べやすくし、主食や豆類なども組み合わせて、無理なく続けることを優先します。
不溶性だけを多くとれば便秘に効きますか?
そうとは限りません。体調や便秘の原因によっては、不快感が増えることもあります。症状が続く場合は、量を増やす前に医療機関などへ相談してください。
参考にした資料
資料を開く
- 厚生労働省:食物繊維
- 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2025年版)
- Guanら(2021):Dietary Fiber: An Important Regulator of Gut Microbiota(成分の分類と性質の総説)
- McRorie・McKeown(2017):Understanding the Physics of Functional Fibers…(分離した食物繊維の性質と働きの総説)
- 厚生労働省:食物繊維の必要性と健康
- 文部科学省 食品成分データベース:ごぼう(生)
- 文部科学省 食品成分データベース:にんじん(皮つき)(生)
- 文部科学省 食品成分データベース:なす(生)
- 文部科学省 食品成分データベース:いちご(生)
- 文部科学省 食品成分データベース:バナナ(生)

